君と春を



百合先生の吉報をまるで自分のことのように報告してきた美月。

この10年持ち続けてきた苦しみからやっと解放してあげられたと涙を浮かべて語る美月自身、きっと百合先生のことを気に病んでいたのだろう。

「……ところで検診の結果は?」

「へ?検診……あぁ、問題なしです。

もう倒れる前とほぼ変わらないくらいに回復してるので遠慮せずにと言われました。

遠慮ってなんですかね?

どんどん動いて健康的な生活しろってことですかね。」

ふふっと笑いながら美月はそう言った。

『遠慮せず』

それはきっと百合先生から俺へのメッセージだ。

……ずっと待っている俺への。



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