男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「それにしても、最近多くないか?」
魔物を片付け城に戻る最中、ノアが険しい顔をして言う。
私も思っていた。
ずっとレオの側にいたノアがそう言うんだからやっぱりそうなんだろう。
「そうですね・・・。公務がある時には必ずと言っていいほど狙われています」
「なんかあんのかな?」
「もしかしたら、レオさまが心を開かれたことに原因があるんでしょうか」
レオが心を開いたから?
そんな、どうして。
「今までのレオさまなら、魔物を滅ぼす力があったとしても、その力をお使いになって救おうと思わなかった。現に、今までそのように行動をされたことはなかったはずです」
「そうだな。頼まれたところで行動に移したことはない」
そうか。
いくら凄い力があったとしても、本人にそれを使う意思がなかったんだ。
だから、魔物にとって脅威にならなかった。
「今は違うんだ。今は、生きる意志を持ってる。だから、そのレオさまが魔物対峙に乗り出す可能性が出てきたから?」
「そうです。今初めて魔物にとってレオさまが脅威に変わったんです」
そうだったんだ。