男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「落ち着け、なにがあった」
「魔物が・・・、レオの部屋を襲ってきて・・・。戦ったんだけど、吹き飛ばされて、その拍子にウィッグが取れちゃって・・・」
「魔物!?その魔物は?」
「大丈夫、ちゃんと倒した・・・」
私を落ち着かせるようにフランが背中をさすってくれる。
ノアがそのそばで、通信機を使って連絡を取っているのが見えた。
「・・・ああ、だから、レオさまの方は頼んだ。じゃあ」
連絡を終えたノアが私に向き直りにっこりと笑う。
「レオさまの方はグレンに任せたから安心しろ」
「ありがとう・・・」
「レオさまは、なんて?」
「・・・もう、お前の顔なんて見たくないって。出て行けって・・・」
そう言いながら泣きだした私。
「レオさまもきっと、びっくりしたんだよ。落ち着いてちゃんと話したらわかってくれるって」
「ううん・・・。もうだめだよ。私の事軽蔑した目で見てた。裏切られたって思ってる・・・。男だと思って心を許したのに、騙されたって・・・」
例えグレンに言われたからだとしても、私はレオを騙したんだ。
私がレオを裏切った。