男装騎士~あなたの笑顔護ります~
すごく冷たい瞳をしていた。
蔑むような、軽蔑の瞳。
せっかく、レオと近づけたかもって思ってたのに。
嫌われた。
もう、完全に嫌われてしまったんだ。
「・・・っ」
溢れだした涙を拭うこともせず、私はひたすらに走った。
向かっていたのは、塔。
塔にはいると、お風呂上りであろうフランが身体から湯気を上げ驚いたように私を見る。
「ユキ?どうしたの?泣いてるの?なんで?」
慌てたフランが駆け寄って心配そうに私を覗き込む。
その騒ぎを聞きつけたノアも顔を出した。
「おい、どうした。なんでウィッグつけてないんだ?・・・もしかして」
「レオに・・・ばれちゃった・・・。私が女だって、ばれちゃた」
どうして。
レオの冷たい瞳が消えないの。