男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「うん。じゃあ、頑張ろうね。何かあったらすぐに通信機で呼ぶこと」
「わかった」
「レオさまに無礼のないようにすること」
「う、うん」
とっつきにくい王子様。
護衛とはいえ、側にいてなにを話せばいいんだろう。
というか、話す必要はないのか。
別に、遊びに行くわけでもないんだし。
「レオさまは、本当は心優しいお方なんだよ」
「え?」
「でも、今は心を固く閉ざしておられるんだ・・・」
冷たい瞳をしていた。
全てを拒絶しているような。
どこか、闇を抱えているような・・・。
「レオさまの笑顔って、見たことある?」
「え?笑顔?」
「初めて会った時、思ったの。笑わない人だなって。笑わないどころか、感情すら見えない」
「・・・」