さちこのどんぐり
暫くして

涙目で戻ってきた木村は、集まっていた寮の入居者たちに目も合わせず、
黙って部屋に入っていった。


その手にカラスガンはなく

涙どころか鼻水まで垂らしていた。



入居者たちが外に出て入り口の正門付近を見てみると、
相変わらずカラスは

カァ~カァ~



地面に鳥捕獲用ネットとカラスガンがポツンと落ちていた。
< 87 / 163 >

この作品をシェア

pagetop