強引社長の甘い罠
「そうよね、それについては私も同意見よ。そこでお願いがあるんだけど……七海さんがモデルをやってくれないかしら?」

「えっ!」

 課長の言葉に驚いて目を見開くと、課長は今言ったことは冗談でも何でもないらしく真面目な顔で私の反応を窺っていた。私がエステのモデル? 本気で?

「で、でも課長、私もう二十七ですよ……」

「あら、そんなこと関係ないわよ。七海さんの肌、キレイだし」

 課長が私の露出した腕を視線で辿って言った。改めてじっと見られると恥ずかしくて私は両腕を体に巻きつけ肌を隠すようにすると激しく首を振った。

「いやいやいや、無理ですって」

「モデルを引き受けてくれたらエステのフルコース全てサービスしてもらえるわよ」

「え、ホントですか?」

「ホント、ホント。よかった、引き受けてくれて。じゃあ早速先方には連絡しておくわね」

 まだ引き受けたつもりはないのに、課長はもう自分のデスクへ戻ろうとしている。このまますぐにオーナーにOKの返事をするつもりなのだろう。私は焦った。だってエステのモデルなんて私には荷が重い。というか無理だ。自信がない。

「あの、か、課長、ちょっと待ってください」
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