強引社長の甘い罠
「俺の友人がもう少ししたら来ることになっている。唯も会ったことがある人物だ。だけどなるべく早く切り上げるつもりだ」
私は眉をひそめた。私も知っている人? 祥吾のプライベートな交友関係を私は全く知らない。仕事関係しか思い浮かばないのだけれど、でもそれは佐伯さんではないみたい。
恰幅のいい店主の奥さんらしき年配の女性が、お水とおしぼりを持って注文を取りにやってきた。祥吾は自分には生中、私にはウーロン茶を注文すると、あと一人来るから食事はもう少し後でと説明している。
口数が少ない祥吾はまだ不機嫌なままだ。どうやら私が引き受けたモデルのことでまだ怒っているらしい。いい加減諦めて機嫌を直して欲しい。私じゃ力不足だと思っているようだけど、私にも出来るということを証明したい。
「まだ怒ってるの?」
うまい切り出し方が見つからなくて、しばらく二人無言で並んで座っていたけれど、ストレートに聞いてみた。祥吾は隣から私を一瞥するとビールのジョッキをテーブルに置いて、大げさに息を吐いた。
「怒っているか、そうでないかと聞かれたら、怒っているよ」
「どうして? 私ではそんなに力不足?」
私が噛み付くように聞くと、祥吾は驚いたのか一瞬目を見開き、次の瞬間呆れたように頭を振った。
「君は本当に何も分かっていない。君はもっと俺の気持ちも考えるべきだ。力不足だって? 逆だよ、唯。唯なら充分すぎるほど完璧にこなせることは最初から分かっている」
「だったら何で怒ってるのよ……。だいたい私が祥吾の気持ちを考えてないなんて、よく言えたわね」
「唯が俺のことを考えていれば、あんな仕事は引き受けなかったはずだ」
「だから何でそうなるのよ」
私は眉をひそめた。私も知っている人? 祥吾のプライベートな交友関係を私は全く知らない。仕事関係しか思い浮かばないのだけれど、でもそれは佐伯さんではないみたい。
恰幅のいい店主の奥さんらしき年配の女性が、お水とおしぼりを持って注文を取りにやってきた。祥吾は自分には生中、私にはウーロン茶を注文すると、あと一人来るから食事はもう少し後でと説明している。
口数が少ない祥吾はまだ不機嫌なままだ。どうやら私が引き受けたモデルのことでまだ怒っているらしい。いい加減諦めて機嫌を直して欲しい。私じゃ力不足だと思っているようだけど、私にも出来るということを証明したい。
「まだ怒ってるの?」
うまい切り出し方が見つからなくて、しばらく二人無言で並んで座っていたけれど、ストレートに聞いてみた。祥吾は隣から私を一瞥するとビールのジョッキをテーブルに置いて、大げさに息を吐いた。
「怒っているか、そうでないかと聞かれたら、怒っているよ」
「どうして? 私ではそんなに力不足?」
私が噛み付くように聞くと、祥吾は驚いたのか一瞬目を見開き、次の瞬間呆れたように頭を振った。
「君は本当に何も分かっていない。君はもっと俺の気持ちも考えるべきだ。力不足だって? 逆だよ、唯。唯なら充分すぎるほど完璧にこなせることは最初から分かっている」
「だったら何で怒ってるのよ……。だいたい私が祥吾の気持ちを考えてないなんて、よく言えたわね」
「唯が俺のことを考えていれば、あんな仕事は引き受けなかったはずだ」
「だから何でそうなるのよ」