強引社長の甘い罠
祥吾は私たちの前を通り過ぎるといったん奥の部屋へ消え、すぐにまた戻ってきた。
チャコールグレーの上着と光沢のあるグレーのネクタイがなくなっている。ボタンが上から三つほど外されたシャツの隙間からは、少し日に焼けた逞しい胸板がちらりと覗いていた。
私の視線はすぐに彼の体に縫いとめられてしまった。その胸に自分の手を滑らせ、彼の鼓動を感じながら眠りについた夜のことを強烈に思い出す。すぐに全身がカッと熱くなるのがわかった。嫌だ、これじゃ彼に何を考えていたか見抜かれてしまいそう。
彼の体から何とか視線を引き剥がすと、目の前の料理を見つめた。その間も彼の視線を痛いほど感じる。
「食事にしよう」
祥吾が静かに言って席についた。椅子に座ったことで彼の視線が下がると、料理を見つめていた私とちょうど目が合った。彼は無言で私にも座るように命令した。それでも私が呆然としたままその場に突っ立っていると、彼の苛立たしげな声が静かに飛んだ。
「席につくんだ」
再び彼への反抗心を刺激された私は、彼をキッと睨みつけ、およそレディーらしからぬ動作で腰を下ろした。
今日の彼の高慢さは度を越えている。それなのに言いたいことの一つも言い返せずに黙って彼の不当な命令に従っている自分が情けない。
チャコールグレーの上着と光沢のあるグレーのネクタイがなくなっている。ボタンが上から三つほど外されたシャツの隙間からは、少し日に焼けた逞しい胸板がちらりと覗いていた。
私の視線はすぐに彼の体に縫いとめられてしまった。その胸に自分の手を滑らせ、彼の鼓動を感じながら眠りについた夜のことを強烈に思い出す。すぐに全身がカッと熱くなるのがわかった。嫌だ、これじゃ彼に何を考えていたか見抜かれてしまいそう。
彼の体から何とか視線を引き剥がすと、目の前の料理を見つめた。その間も彼の視線を痛いほど感じる。
「食事にしよう」
祥吾が静かに言って席についた。椅子に座ったことで彼の視線が下がると、料理を見つめていた私とちょうど目が合った。彼は無言で私にも座るように命令した。それでも私が呆然としたままその場に突っ立っていると、彼の苛立たしげな声が静かに飛んだ。
「席につくんだ」
再び彼への反抗心を刺激された私は、彼をキッと睨みつけ、およそレディーらしからぬ動作で腰を下ろした。
今日の彼の高慢さは度を越えている。それなのに言いたいことの一つも言い返せずに黙って彼の不当な命令に従っている自分が情けない。