強引社長の甘い罠
「トラブルがあったようで申し訳ありません。十分だけ、お時間をいただけませんでしょうか?」
突然、隣の祥吾が頭を下げた。そして時間をくれるよう交渉する。祥吾の発言に、佐伯さんが態度を和らげた。藤本さんも軽く息を吐く。
「じゃあ、十分後に。その頃また来ます。佐伯さんも、それでいいですよね?」
「え、ええ……」
藤本さんに促されて、佐伯さんもソファから立ち上がると、二人は一旦部屋を出ていった。残されたのは私と祥吾の二人。
重い沈黙が漂った。
「申し訳ありません……」
祥吾が大きく息を吐く。呆れているのだろう。せっかく私の仕事を認めてもらえたと思った矢先、こんな、新人でもしないようなミスを犯してしまうなんて。
「ファイルを転送するのを忘れたのか?」
「……はい。あ、いえ……、転送はしたんですが、その、場所を間違えてしまいまして……ここからではアクセスできないんです」
「じゃあすぐ電話して」
「え?」
「会社に電話して、分かるヤツにファイルを移動してもらえばいいだろう?」
「あ、はい」
突然、隣の祥吾が頭を下げた。そして時間をくれるよう交渉する。祥吾の発言に、佐伯さんが態度を和らげた。藤本さんも軽く息を吐く。
「じゃあ、十分後に。その頃また来ます。佐伯さんも、それでいいですよね?」
「え、ええ……」
藤本さんに促されて、佐伯さんもソファから立ち上がると、二人は一旦部屋を出ていった。残されたのは私と祥吾の二人。
重い沈黙が漂った。
「申し訳ありません……」
祥吾が大きく息を吐く。呆れているのだろう。せっかく私の仕事を認めてもらえたと思った矢先、こんな、新人でもしないようなミスを犯してしまうなんて。
「ファイルを転送するのを忘れたのか?」
「……はい。あ、いえ……、転送はしたんですが、その、場所を間違えてしまいまして……ここからではアクセスできないんです」
「じゃあすぐ電話して」
「え?」
「会社に電話して、分かるヤツにファイルを移動してもらえばいいだろう?」
「あ、はい」