パラレルワールドでゲーム戦争
数秒後、何処かに着いたようで、足の裏が床に付いた感覚が戻る。
目を閉じていた柃は、恐る恐る目を開けるとそこはさっきとはまた違う、データの中の世界だった。
大きな文字が上の方に出ているが、時折バグか何かで揺れ動く。

「Board game(ボードゲーム)?」
『何かゲームの世界の中みたいだね』
『おや、察しのいい方だ』
『「!?」』

柃と六以外にもう一つ、誰か知らぬ声がした。
咄嗟に顔を上げると、少女とも、少年ともとれる子供がケラケラと笑っていた。

『ようこそ、僕の世界へ』
「お前…一体何者だ!」
『僕の名はデータ。君達が来るのを待ってたんだよ?笙瀬 柃、大和 六』

不敵な笑みを浮かべ、2人を眺めるデータと言う子供。
憎たらしいガキにも見え、腹黒い大人びた子供にも見える。
そんな奴を前にしながら、2人はあっけらかんと話をしていた。

「お前、大和って言うんだ」
「そだよ〜てか、れーくんいい加減僕のこと"お前"って言うのやめてよ」
「へいへい、六でいいんだろ」
「おお!なんか新鮮」

『君達僕の話聞いてる?』
「一応。データって言うんだろ。さっさと元の世界に返してくれよ」
『その前にゲームをしようよ。と、いうよりゲームをして僕に勝たないとここから出さないよ』
待ちくたびれたのか、データは不意にそんな事を言い出した。

『ゲームをしよう』
そう言われて、ゲーマーの2人が黙っていられるはずもなく。
出れるか出れないかもかかっているわけで。

『「何のゲームで勝負する?」』
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