レイアップ
「でも、暇潰しってことならミウも一緒だろ。本当にバスケの練習したいなら、わざわざこんなとこに来たりしない。うちの学校が部活ないの知ってて忍び込んだんだ。そしたら先客のおれがいた」
こんどは、おれのほうが図星だったのだろうか。ミウの表情が一瞬フリーズする。
「あったり~。西高はいろいろ有名だからね。進学校でもないのに部活がない学校なんてすごい珍しいよ。でも、案の定体育館の床はホコリまみれだったけど・・・」
確かに、ただでさえ使用頻度が低かった体育館は、夏休みに入り、全く整備する者はいなくなった。
こんなんじゃせっかくのオニューのバッシュも台無しだ。
「っと、いうことで、今日はまずモップがけから始めまーす」
ミウはどこからもってきたのか、二本のモップを指差していった。
「それ、おれもやるの?」
「あたりまえだよ。ここあなたの学校でしょ」