レイアップ

「でも、暇潰しってことならミウも一緒だろ。本当にバスケの練習したいなら、わざわざこんなとこに来たりしない。うちの学校が部活ないの知ってて忍び込んだんだ。そしたら先客のおれがいた」

こんどは、おれのほうが図星だったのだろうか。ミウの表情が一瞬フリーズする。

「あったり~。西高はいろいろ有名だからね。進学校でもないのに部活がない学校なんてすごい珍しいよ。でも、案の定体育館の床はホコリまみれだったけど・・・」

確かに、ただでさえ使用頻度が低かった体育館は、夏休みに入り、全く整備する者はいなくなった。
こんなんじゃせっかくのオニューのバッシュも台無しだ。

「っと、いうことで、今日はまずモップがけから始めまーす」

ミウはどこからもってきたのか、二本のモップを指差していった。

「それ、おれもやるの?」
「あたりまえだよ。ここあなたの学校でしょ」

< 21 / 194 >

この作品をシェア

pagetop