レイアップ
ワンコートだけモップがけすればいいのに、ミウが全部やるといって聞かなかったので、結局おれたちは、三度も体育館全面をモップがけした。
乾拭き一回、水拭き一回、そしてまた乾拭き。
競争しながら何往復も走りまわり、既におれはヘトヘトだったが、ミウは楽しそいにキャッキャと笑っている。
「なあ、もういいだろ。ちょっと休もうぜ」
おれは、すっかり綺麗になった床板に腰を下ろし、さっき買ったポカリに口をつけた。
「もうバテタの?体力ないなー」
「ミウが元気すぎるんだよ。あんまりはしゃぎすぎると熱中症になるぞ」
おれは、もう一本のポカリをミウに放り投げた。
「ありがと」
ミウも、おれの隣に腰を下ろす。
「なあ、バスケはいつからやってんの?」
おれは、まず簡単な質問からぶつけてみた。昨日あったばかりで、まだミウの名前くらいしかしらない。
「もの心ついた時からな。親の影響で小さい時からバスケットボールがオモチャがわりだったから」
「ポジションは?」
「フォワード」
「じゃあ、おれと同じだな。今は部活とかは入ってないのか?まあ、部活やってたらこんなとこにいないか」