レイアップ


ワンコートだけモップがけすればいいのに、ミウが全部やるといって聞かなかったので、結局おれたちは、三度も体育館全面をモップがけした。

乾拭き一回、水拭き一回、そしてまた乾拭き。

競争しながら何往復も走りまわり、既におれはヘトヘトだったが、ミウは楽しそいにキャッキャと笑っている。


「なあ、もういいだろ。ちょっと休もうぜ」

おれは、すっかり綺麗になった床板に腰を下ろし、さっき買ったポカリに口をつけた。


「もうバテタの?体力ないなー」

「ミウが元気すぎるんだよ。あんまりはしゃぎすぎると熱中症になるぞ」

おれは、もう一本のポカリをミウに放り投げた。

「ありがと」

ミウも、おれの隣に腰を下ろす。


「なあ、バスケはいつからやってんの?」

おれは、まず簡単な質問からぶつけてみた。昨日あったばかりで、まだミウの名前くらいしかしらない。

「もの心ついた時からな。親の影響で小さい時からバスケットボールがオモチャがわりだったから」

「ポジションは?」

「フォワード」

「じゃあ、おれと同じだな。今は部活とかは入ってないのか?まあ、部活やってたらこんなとこにいないか」

< 22 / 194 >

この作品をシェア

pagetop