レイアップ
「それにしても意外だよな」
「何が?」
「いや、ミウみたいな女の子がバスケやってることが。てゆーか全然スポーツなんかしなさそうだし、髪だって金髪だし」
ミウの肩まで伸びた細い金色の髪は、まるで汗臭いスポーツなど無縁のように、つやつやと光っていた。目のくりっとした童顔なミウの顔。おれは、金髪なんかより黒髪のショートボブの方が全然似合うのにと思った。せっかく綺麗な髪質をしているのにもったいない。
「そんなのシュウだって一緒じゃん。全然スポーツマンには見えないよ」
そういってミウは、おれの頭を指差した。
「確かにそうだな・・・」
ミウのいう通り、人のことはいえなかった。灰色になった頭をかきながら苦笑いをする。それに、もう本当にスポーツマンでもなければ、バスケットマンでもないのだ。
「髪だって邪魔になるからバスケするときは上げてるよ」
そういって、ミウは頭のてっぺんで髪を縛った。ポニーテールにしてよりいっそう顔が幼く見える。
「だいたい、スポーツに見てくれは関係ないでしょ?」