レイアップ
ただのデパ地下で買ってきた餃子と、豆腐さえあれば誰でも簡単に作れるクックドゥー。
いつもと変わらないおふくろ自慢のお手軽手抜き料理なのに、おれは、ご飯を三杯もお代わりしながらペロッと食べてしまった。
「今日はよく食べるねえ、なんかいいことあったの?」
そんなおれを見て、おふくろはなんだか機嫌良さげだった。
「別に・・・」
玄関に起きっぱなしにしているバッシュを見ても、何も聞いてこない。放任主義なのか、単純に我が子に興味がないのかは分からないが、おふくろは、空いた皿をさっさとかたずけて、洗い物に入ってしまった。
おれは、席を立つとそのまま自分の部屋に戻り、また、倒れ込む様にベッドに横になった。さっき寝たばっかりなのに、またまぶたが重くなってきた。せっかくの夏休みなのに夜更かしをする気力もない。
まあ、いいや。夏はまだまだこれからだ。
おれは、全く手付かずの宿題のことも忘れて、早々と眠りに落ちていった。
そして、夢・・・。