不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 藤野くんに自意識過剰だと思われるかもしれない。
 別にそんなつもりはないし、美人でもないくせに、と。

 だけどさすがに、これは風見さんに対して罪悪感を覚える。
 まるで隠れてデートをしているみたいだもの。

「そんなに構えるなよ。緒川さんが悩んでそうだから、俺が話を聞きたいって思っただけ。別に同期同士で飲みに行くくらい許されるんじゃない?」

「でも……」

「わかった。普通の居酒屋ならいい? 全然ムードのない店」

 そこまで言われると無下に断れない。
 藤野くんは少なくとも私を心配し、このために仕事だって早く終わらせてくれたはずだ。

「じゃ、じゃあ……私の友達呼んでいい?」

「ははは。いいよ。しかし俺とふたりで飲むことに、そんなに罪悪感があるんだ」

「………」

「風見さん、愛されてるな」

 そこまでズバリと言い当てられては、ぐぅの根も出ない。

 朗らかに笑い飛ばしてくれている藤野くんの姿がせめてもの救いだ。

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