不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 藤野くんがボソリと言った言葉で、真那の眉間にキュっと皺が寄った。
 どういうこと? と、私に視線を向け、真那が無言の圧力をかけてくる。

 ふたりとも私から何か聞きだしたいようだけれど。
 どこまで話したらいいのか、何から話せばいいのか、さっぱりわからなくて私は混乱するばかりだ。

「原因は、風見太雅なの?」

「え?」

「アンタが泣くのも笑うのも、あの男が関係してる気がするから!」

 真那がしかめっ面のまま、吐き捨てるように言う。
 本当に真那は未だに風見さんにかなりの苦手意識があるようだ。

「風見さんじゃなくて……もしかして、清瀬さん?」

 なんの前触れもなく、藤野くんが当該の人物の名前を言い当てたことで、私は驚いて手にしていたおしぼりをポトリと落としてしまった。
 藤野くんは人の心を読める特殊な能力でも持っているのだろうか。

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