不機嫌な彼のカミナリ注意報2
『あのぅ……明日の夜なんですけど』

『わかってる。お前が言ってた約束の日、だろ?』

 昨夜、風見さんに念のために電話で確認したら、今日だけは仕事を早く終わらせると言ってくれた。
 レストランも予約してくれているみたいで、私は朝からたまらなくウキウキしている。
 髪もメイクも気合いを入れたから、本日の私は女子力が二割増しのはず。

 今日くらいは恋人同士らしく、甘い時間を過ごしたりできるのだろうかと考えるだけで、単純だけど私は元気いっぱいに絶好調でいられた。

 どんなレストランに連れて行ってくれるのだろう……などと想像すると、ここが会社だということも忘れてスキップでもしてしまいそうだ。


「お前もしつこいやつだな!」

 資料室で探し物を終えて戻ろうとすると、マーケティング部の入り口付近の通路で説教声が聞こえてくる。
 それはうちのチームなら誰しもが聞き慣れている声だ。

「そんなこと言わないで、お願いしますよ~」

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