不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「聞こえたって……どこから聞いてたんです?」

「『今から俺と飯に行かない?』って辺りから」

「それ、ほぼほぼ全部じゃないですか!」

「あはは。そうなの~?」

 染谷さんが指摘したとおり、瀬戸さんには先ほどの会話のほとんどを聞かれていたらしい。
 恥ずかしさからなのか、染谷さんは頭を抱えてガクっとうなだれた。

「ま、考えてみたらチャンスよね。風見くんだけじゃなくて、護衛隊の藤野くんと、ちょっとした虫よけの笹岡くんまでいないんだから」

 行動に移したくもなるわよね、などと言いながら、瀬戸さんがクスクスと笑う。

 藤野くんはいつの間に護衛隊に?
 そして、笹岡さんはなんの虫よけに?

 私は意味がわからなくて小首をかしげていると、染谷さんの顔にどんどん苛々の色が乗っていく。

「俺の気持ちわかるなら、邪魔しないでくださいよ」

「悪いけど、邪魔はするわよ」

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