不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 うまく話を誤魔化そうとしたみたいだったけれど。
 “横浜の子”というフレーズで、以前染谷さんが言っていたことを思い出してしまった。
 風見さんは横浜に転勤していた時代に、彼女がいた、と。

 私が“過去の恋愛”という言葉を使ったから、瀬戸さんは横浜の元カノのことだと勘違いしたのだと、私は遅れてようやく合点がいった。

 とりあえず、横浜の元カノのことは置いておくことにしよう。
 仲里さんのことのほうが、今はそれ以上に気になる。

「仲里さんっていうのは……」

 J&Uの大口の仕事の話がうちのチームに舞い込んだこと、その担当者が仲里さんで、風見さんと大学時代に付き合っていたこと、今日のデートの予定が、J&Uの接待で中止になってしまったこと、その接待の宴の席に今現在ふたりが同席していること、ふたりの仲がもしかしたら元に戻ってしまうんじゃないかと一抹の不安があること……

 私はかいつまんで、それらを瀬戸さんに話した。
 瀬戸さんは自然な相槌を加えながら、しっかりと聞いてくれた。


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