不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 そうでしょ? と笑顔で問われ、私も泣き笑いの顔でコクリと頷く。

 本当に瀬戸さんという人は……
 私より何倍も風見さんのことをわかっていて、私より何百倍も素敵な人だ。

 風見さんはいつも不機嫌に眉根を寄せていて、ぶっきらぼうで無愛想で……
 仕事では時にカミナリを落としちゃう人だけれど。

 真剣になにかを訴える人の話を、無下にしたり、ぞんざいに扱う人ではない。
 その人と同じ目線に立ち、しっかりと話を聞いてくれる。
 そういう、やさしい人だ。

 だけどそのやさしさに甘えてしまってはいけないような気がしていて…。

 遠慮して、なにも伝えずに“事なかれ”で、私は済ませようとした。
 それでは、胸の中の不安やモヤモヤは火種として残って消えないままなのに。


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