不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 言いながら、書き込んだ紙面をビリっと剥ぎ取って。
 瀬戸さんが私のほうへずいっとそれを差し出した。
 見ると、駅の裏通りの簡単な地図が書かれていた。

「あ、はい。わかります」

 私はあまり通らない場所だけれど、示されたポイントはかろうじてわかった。

「と、とりあえず、風見さんに電話してみて……」

「もう、直接行っちゃえば?」

 バッグから自分の携帯をもぞもぞと取り出そうとしたけど、瀬戸さんのその言葉で動作が止まる。
 視線を上げると、瀬戸さんは腕時計で時間を確認していた。

「接待ももう終わるころだわ。早く行かないとみんな帰っちゃうかも」

「え?!」

「風見くん、仲里さんに誘われてそのあとふたりでどこかに行っちゃうかもよ」

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