不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 気持ちだけが焦って、足元がおぼつかないなと、ちょうど気づき始めたときだった。

「わっ!!」

 歩道のアスファルトの、なんでもないちょっとした段差にパンプスが引っかかり、ダメだと思ったときにはもう遅かった。
 前のめりで、右膝から勢いよく身体が崩れ落ちた。

 ザザーっというバッグが地面に擦れる派手な音がして、右膝と咄嗟に地面についた右の手の平に激痛が走る。

 いい歳した大人の女が走って歩道で転んだのだ。
 そう考えるとものすごく恥ずかしくなり、何事もなかったように鞄を持って立ち上がったけれど、羞恥で顔が熱い。

 いや、そんなことよりも。
 今は風見さんだ。恥ずかしいのはどうでもいい。

 先を急がなくては!

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