不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ねぇ、……もしかして彼女?」

 今度は風見さんの隣に佇む仲里さんが、やさしい笑顔で風見さんに問う。

「……ああ。そうだ」

 仲里さんのほうをまともに見ずに、風見さんが私を射貫いたままそう答えた。
 そしてじろじろと観察すると、だんだん訝しげな険しい表情に変わっていく。

 ……やっぱり私が勝手にここに来たことを怒っているのかもしれない。
 なにをやってるのだ、と。

「田中さん、今日はありがとうございました。風見さんは用があるみたいだから私たちは先に帰りましょ」

 対峙する私たちの様子を察してか、仲里さんが田中さんの背中をそっと押して駅へと促す。

 ふたりが「お疲れ様です」と私たちに声をかけ、駅の方向へと消えていった。

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