不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 風見さんが私の足元に視線を落としているのに気づいて、あわてて自分自身も同じように視線を落とす。
 すると、見えた自分の右膝は、普段とあきらかに色が違っていた。

 履いていたストッキングは、電線が入ってビリビリに破れていた。
 破れたことはどうでもいいが、先ほど歩道で転んだのが原因だと思われるのだけど、右膝が無残に擦りむけていて、そこから血がにじんでいる。

 いや、にじんでいる、というレベルはとうに超していて、噴き出した血が重力に負けてスネのほうへしたたり落ちていた。

「う、うわっ!」

 自分の膝がそうなっていると自覚した途端、驚いて変な声が出た。
 じんじん、ヒリヒリとした感覚はあったけれど、ここまで血が出ているとは思いもしなかった。

 歩道のアスファルトがゴツゴツしていて硬かったからだ。
 あんなところに勢いよく膝を打ち付けたら、こういう事態になるのは当然だろう。

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