不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 一瞬、納得がいかないというような顔をした清瀬さんだったけれど、すぐになにかを含んだような表情は引っ込めてくれた。

「お弁当、どこで食べる?」

 私は皆口さんと腕を絡めたまま明るくそう言い、エレベーター方向へと歩みを進める。
 これで清瀬さんは、皆口さんが手にしているお弁当が自分の恋人である笹岡さんのために用意されたものだとは思わないだろう。

 なぜ、今日に限って再び清瀬さんが私をランチに誘ってきたのだろう? タイミングが悪すぎる。
 笹岡さんのことについて私になにか聞きたいのではないかという予感がするから、ここは出来れば逃げておきたい。

 というわけで、今取った行動がベストだ。

「あの……緒川さん?」

 わけがわからないという表情で、皆口さんが私の顔色を伺う。

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