ツンデレ専務と恋人協定
数回の呼び出し音のあと、専務は電話に出てくれた。


『栞奈か?どうした?』


専務の声を聞いただけで胸の奥が締め付けられそうになる。


「今どこですか?」


電話の向こうでピアノのような音が聞こえて、家じゃないんだろうなって思った。


『ホテルのバーで飲んでる』

「今から行ってもいいですか?」

『どうした?何かあったのか?』


専務の声が電話越しでもわかるくらい優しくて、心配してくれてるのが伝わってくる。


「会ってから話します」

『わかった。この前のホテルだからタクシーで来い』


そう言われ、私はタクシーでホテルへと向かった。

タクシーの中で専務に何て話そうか考えていたけど、うまい台詞が思い浮かばないまま着いてしまった。

ホテルの前につくと、ベルボーイが私を出迎えてくれた。

そして私の名前を確認すると、タクシー代を払ってくれて専務がいるというバーまで案内してくれた。

バーに入り、カウンター席で飲んでる専務の横までやってきた。


「タクシー代、ありがとうございます」

「ああ、座って何か飲めよ」


私は専務の横の席に座り、強めのカクテルを頼んだ。


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