ツンデレ専務と恋人協定
すっかり結婚の二文字を忘れかけていたこと、専務が席を立ち戻ってきた手には小さな箱が握られていた。

その箱に免疫のない私でも、指輪が入っているんだろうって言うのがわかる。

専務は座るなり、持ってきた小さな箱をテーブルの上へと置く。

私はその箱を見てからゆっくりと専務を見た。


「ばばあに先に言われたけど、アメリカへ行く前に渡すつもりだった」


そう言われ、箱の中が指輪だと確信する。


「ばばあの言っていた事は気にしなくていい。今すぐじゃなくてもいい。俺と結婚して一生一緒にいてほしい」


真っ直ぐと私を見つめながら言う専務を見ていると、今まで味わった事のない気持ちが溢れてきて、涙が頬を伝っていく。


「な、なんだよ?泣くなよ!結婚がそんなに嫌なのかよ?」


そう言って、慌てだした専務。

だけど、私が泣いているのは、結婚が嫌だからじゃない。

なのに、困った顔とショックを受けてるような複雑な表情をしている。


「…李人さん」

「ん?」


なんで優しく返事をしてくれただけなのにこんなに胸がキュンってなるんだろう。


「私と一生一緒にいてください」

「………」


本当に私が結婚を嫌がっていると思っていた専務は、固まるくらい驚いている。


「ダメですか?」

「んなわけねぇだろ!お前こそいいのかよ?一生だぞ?結婚だぞ?」

「はい、もちろんです」


こんなに好きな人にプロポーズされたのに嫌なわけがないよ。


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