ツンデレ専務と恋人協定
それに、お姉ちゃんには散々世話をかけて甘えてきたんだもん。

短大を卒業したときにもう甘えないって決めたの。

何があっても自分のことは自分でしようって決めたんだ。


「大丈夫!すぐ仕事見つけるから」

「そう、分かった。だけど何かあったらすぐに言うのよ」

「うん、ありがとう」


優しいのは春樹さんだけじゃない。

お姉ちゃんもすごく優しい。

母親みたいに口煩いけど、それは当たり前なんだ。

私たちの両親はいないから、お姉ちゃんは私の母親代わりでもある。

両親は私が高校生の時に、二人一緒に事故で死んでしまった。

6つ年上のお姉ちゃんはもうすでに大学も卒業していて社会人で、夜の仕事と掛け持ちをして私を短大まで卒業させてくれた。

その時、夜の仕事で出会ったのが春樹さんだった。

そして、お姉ちゃんと春樹さんは私が就職をして1年がたち落ち着いたのを見届けて結婚した。

お姉ちゃんがいて本当によかった。

お姉ちゃんがいなかったら私は生きてこれなかったと思う。

感謝なんて言葉じゃ足りないくらい感謝してる。


「お姉ちゃん、私そろそろ帰るね!お姉ちゃんもお店いくでしょ?」

「待って!これ持って帰りなさい」



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