ツンデレ専務と恋人協定
渡された紙袋の中を見ると、パックにカレーと肉じゃがが入れられていた。

さっきから部屋中いい匂いがすると思っていたけど、原因はこれだったんだ。


「ありがとう」


鼻の奥がツンとなるほど感動してるのに、ありがとう以外の言葉がでてこなかった。


「ちゃんと食べるのよ?」

「うん」


早く仕事を見つけよう。
クビのことは本当に悔しいけど、恨んだって前に進めるわけじゃない。

早く仕事を見つけてお姉ちゃんを安心させたい。


私はお姉ちゃんの家を出て自分の家へと帰ってきた。
1人で暮らしている1DKのマンション。

昨日、会社へ行ったときのままで部屋の中が散らかっている。

朝食の食器は流し台に置いたままだし、ベッドの布団はぐちゃぐちゃで、すぐそばには脱ぎ散らかしたパジャマが横たわっている。

私は食器を洗い、パジャマを拾い洗濯機を回すとシャワーを浴びた。

シャワーを浴びながら仕事のことを考えていた。

正直、次の仕事がすぐ見つかるかすごく不安だ。

短大の時に就活で不採用の連続だった記憶が蘇る。



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