ツンデレ専務と恋人協定
「無理すんなよ」


専務は私の異変には気づかず自分の部屋へと戻っていった。

それから私は少し落ち着きを取り戻して、やっと仕事に取りかかった。

夕方になり、専務は帰り支度を済ませて部屋から出てきた。

ここ最近は早くても18時を回らないと帰らなかったのに、今日は定時の時間だ。

もしかしたら、今朝もゆっくり出掛けていたから急ぎの仕事はないのかもしれないけど。


「専務、お疲れ様です」

私は立ち上がり、専務に挨拶をする。


「まだ何か仕事残ってるのか?」

「いえ」

いつもなら、珈琲を入れろだとか資料取ってこいとか、資料をまとめろとかいろいろ仕事を言ってくるのに今日は全く言われなかった。


「なら送っていく」

「えっ?」

「早く帰る支度しろ」


なんでいきなり送っていくなんて言い出したの?

昨日常務に送ってもらったからそれを気にしてるのかな。


「専務、先にお帰りください。私ならひとりで帰りますので」

「しんどい時くらい送ってやる」


もしかして、私が体調不良だと思って言ってくれてたの?

さっきも熱があるかとか気にかけてくれてたし。


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