夢幻泡影
女中仕事の合間に縁側で

ふー ふー


風車と遊ぶ


「てーる!!」


『沖田さん!』口元をみる!


懐から紙を出して、沖田の口元を拭く


「あ!先ほど大福食べたんです!」


『お客様用の大福がないと、井上さんが騒いでたっけ?』


「ありがとうございます!!」


『困った人!犯人だとあっさり言うんだから!』


にこっ


「瑛!いつもそうやって笑いなよ!」


『どうやら笑ったようだ。』




最近は、笑えるようになってきた為


〝笑って〟攻撃はなくなった


しかし…未だに自覚がない





今日は、沖田と斉藤が買い物に着いてくる日

沖田は瑛を迎えに来たのだ

「行こうか。」

斉藤も来た







買い物も順調に終わり

沖田が甘味屋に行きたい!!

というので、野菜やら持ったまま甘味屋へ


『さっき大福食べたはずじゃ』


瑛は知っていたが斉藤が知るはずもなく


団子やぜんざいを食べまくる沖田


お茶だけで、胃もたれしそうな斉藤と瑛


『『 凄い! 』』


同じ気持ちだった


ある意味、尊敬!!を込めていた


外に出ると雪がちらついていた


『新選組に助けられたときも雪降ってたな』


雪を見上げてついついボーーーっとしていた瑛は人にぶつかってしまう


「あいたっ!!」

「ごめんなさい!!」

「きいつけや!!」

「はい!すみません!」


沖田と斉藤が手に持っていた荷物を落とす

「瑛!!」 首を傾げる

「声が出たよ!!!」 首を傾げる


『ん?』






『あっ!!!!』



驚いても無表情な瑛。


「・ーーーー」
〝あーーーー〟


!!!!

「あれ?さっきは普通に喋ったのに?」

「うむ。綺麗な声だった!」


『声が出ない。』











言うまでもない…帰ってから

〝喋って〟攻撃を受ける



土方の部屋でぐったりしていると


「ククッお前もいちいち騒がれて、休まらんな!」


『他人事かい! そりゃあそうだけど。』

一人つっこみ納得する









『新選組の力であたし…綺麗になっている。恩返ししたいな… 』



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