バレンタインは俺の生き甲斐やっ!







「なぁなぁ、ミサキー」




「…………」




「ミサキちゃ~ん?」




「……ちゃんづけせんといて、きしょいわ」




「やー、つめたー!」





たっちゃんがわざとらしく涙をぬぐう仕草をする。



それを無表情に見つめながら、あたしは砂肝を噛んだ。





「なに怒ってんねん、ミサキー」




「せやから怒ってへんて」




「ほんまに~?」




「しつっこいな! 黙って食べぇや! 冷めても知らんで!」





たっちゃんは「はーい」と唇を尖らせて、豚バラ串を頬張った。







< 9 / 38 >

この作品をシェア

pagetop