聖夜に舞い降りた天使
アンジュが穏やかに寝息をたてて眠っているのを確認するとそっとベッドの下から箱を取り出し、部屋を静かに出た。
(確か収納庫に包装紙があったはず…)
ベースメント(半地下)にある収納庫へと階段を下りると、豆電球をつけた。
黴と埃っぽい匂いが鼻をつく。
「あ……
はさみとテープ、忘れた…」
仕方ないので、小さい紙袋を手に取る。
持ってきた箱を開けて、アクアマリンのブレスレットを取り出した。
(アンジュの為にちゃんと選びたかったけど……)
これは幼かった僕を置き去りにした母が、迎えを待っている間寂しくないようにと渡してくれた物だった。
僕には辛い思い出でしかない物だったが、アンジュに何かクリスマスプレゼントをあげたいと思った時、彼女の瞳の色と同じこのブレスレットが真っ先に思い浮かんだ。
足音を立てないように慎重に歩くと、部屋の扉を開ける。
部屋を出る時は音が出なかったのに、入る時にはギギーッと錆びつかせた音を立てながら扉が開き、鼓動が跳ねる。
幸い、アンジュはまだ眠っているようだ……
ゆっくりと近付き、頭の横に小さな袋を置く。
「サンタさん、ありがとう」
アンジュが瞳をぱっちりと開けて微笑んだ。
(確か収納庫に包装紙があったはず…)
ベースメント(半地下)にある収納庫へと階段を下りると、豆電球をつけた。
黴と埃っぽい匂いが鼻をつく。
「あ……
はさみとテープ、忘れた…」
仕方ないので、小さい紙袋を手に取る。
持ってきた箱を開けて、アクアマリンのブレスレットを取り出した。
(アンジュの為にちゃんと選びたかったけど……)
これは幼かった僕を置き去りにした母が、迎えを待っている間寂しくないようにと渡してくれた物だった。
僕には辛い思い出でしかない物だったが、アンジュに何かクリスマスプレゼントをあげたいと思った時、彼女の瞳の色と同じこのブレスレットが真っ先に思い浮かんだ。
足音を立てないように慎重に歩くと、部屋の扉を開ける。
部屋を出る時は音が出なかったのに、入る時にはギギーッと錆びつかせた音を立てながら扉が開き、鼓動が跳ねる。
幸い、アンジュはまだ眠っているようだ……
ゆっくりと近付き、頭の横に小さな袋を置く。
「サンタさん、ありがとう」
アンジュが瞳をぱっちりと開けて微笑んだ。