聖夜に舞い降りた天使
アンジュは物珍しそうに周りをきょろきょろと窺いながらソファに腰を下ろした。
「ここ、シェアハウス?私、こういう所来たの初めて!」
嬉しそうに少し興奮気味に話すアンジュが可愛くて、思わず笑みが溢れる。
「大学にも近いし、部屋は狭いけど家賃は安いからほとんどの学生は寮に住むよりもこんな感じのアパルトマンに住んでるよ。」
(普通、これぐらいの年なら知っていそうなことだけど……
どこかよそから来たのかな……)
気付くとアンジュがキッチンまで来ていた。
「座ってたらいいのに……」
そういう僕に
「嬉しくて仕方ないんですもの。
私、誰かの家に招待されたのも初めてだから」
(招待、っていうのかな、これは……)
そう思いつつもアンジュの無邪気な笑みを見ていると何も言う気がおきなくなってしまう。
「コーヒー、インスタントしかないけどいいかな?
今、お湯沸かすから」
そう言った僕にアンジュが首を振る。
「私、コーヒー飲めないの。ね、ミルクある?
あったかいミルクに蜂蜜入れて飲みたいな」
その言葉に、ふと昨日食料品店で目にしたエッグノッグを買っていたのを思い出した。
「だったらさ、エッグノッグがあるけど、飲む?」
アンジュの顔がパアッと明るくなる。
「飲みたいっ!この時期にしか飲めないものね」
12月になると出回り始めるエッグノッグは
クリスマスの時期だけの特別な飲み物だ。
濃厚な甘さのミルクシェーキにラム等のお酒を入れて飲むのだが、
僕はこの喉まで絡み付くような甘さが苦手でここ何年か飲むことはなかった。
なのに、なぜか昨日ふと思い立って買ってしまったのだった。
(彼女との出会いを予感して……
なんてことじゃないよな)
「ここ、シェアハウス?私、こういう所来たの初めて!」
嬉しそうに少し興奮気味に話すアンジュが可愛くて、思わず笑みが溢れる。
「大学にも近いし、部屋は狭いけど家賃は安いからほとんどの学生は寮に住むよりもこんな感じのアパルトマンに住んでるよ。」
(普通、これぐらいの年なら知っていそうなことだけど……
どこかよそから来たのかな……)
気付くとアンジュがキッチンまで来ていた。
「座ってたらいいのに……」
そういう僕に
「嬉しくて仕方ないんですもの。
私、誰かの家に招待されたのも初めてだから」
(招待、っていうのかな、これは……)
そう思いつつもアンジュの無邪気な笑みを見ていると何も言う気がおきなくなってしまう。
「コーヒー、インスタントしかないけどいいかな?
今、お湯沸かすから」
そう言った僕にアンジュが首を振る。
「私、コーヒー飲めないの。ね、ミルクある?
あったかいミルクに蜂蜜入れて飲みたいな」
その言葉に、ふと昨日食料品店で目にしたエッグノッグを買っていたのを思い出した。
「だったらさ、エッグノッグがあるけど、飲む?」
アンジュの顔がパアッと明るくなる。
「飲みたいっ!この時期にしか飲めないものね」
12月になると出回り始めるエッグノッグは
クリスマスの時期だけの特別な飲み物だ。
濃厚な甘さのミルクシェーキにラム等のお酒を入れて飲むのだが、
僕はこの喉まで絡み付くような甘さが苦手でここ何年か飲むことはなかった。
なのに、なぜか昨日ふと思い立って買ってしまったのだった。
(彼女との出会いを予感して……
なんてことじゃないよな)