ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
その時夕刻を知らせる鐘の音が鳴り響いた。
「あら、もうこんな時間なのですね」
姫は残念だと言わんばかりに溜め息を吐く。
「もう戻りましょうか」
戻るという言葉を聞いて、譲二さんときた道を思い出す。
巨大な木の根や苔生した切り株が横たわる、あの障害だらけの道を、もう一度通らなければいけないのか。
そう思いながら姫と晴人さんの後ろをついて行くと、あたし達が来た方向とは反対の方向に向かって歩き出した。
「え、そっちですか?」
「え?ええ」
晴人さんは驚きながら頷いた。
「どうかされたのですか?」
「あ、いえ、あたし達、譲二さんに連れられてあっちの方から来たんです」
すると姫と晴人さんは顔を見合わせて驚いたような顔をして、困ったように笑った。
「お二人とも、譲二どのにしてやられましたね」
「と、言うと?」
晴人さんの言葉に翔太が尋ねる。
「おそらく、お二人の体力や身体能力を見定めたかったのでしょう。譲二どのはとてもまじめで用心深い人柄ですから」
晴人さんは苦笑した。
けれど確かに譲二さんの用心深さとまじめさは分かっていたし、姫が毎日あの障害だらけの道のりを通っているのは到底納得できない。
あたしと翔太は顔を見合わせて苦笑した。
それから結界の外まで、泉から流れる小さな川沿いを歩いた。行きとは全く異なり、道沿いに花が咲いていたり、小鳥が囀ったり、とっても穏やかだった。
それからあたしと翔太は箒に跨がって、晴人さんは籠付き箒に跨がり、その籠の中に姫が、その両脇を衛兵が守りながら城へと飛んだ。
「あら、もうこんな時間なのですね」
姫は残念だと言わんばかりに溜め息を吐く。
「もう戻りましょうか」
戻るという言葉を聞いて、譲二さんときた道を思い出す。
巨大な木の根や苔生した切り株が横たわる、あの障害だらけの道を、もう一度通らなければいけないのか。
そう思いながら姫と晴人さんの後ろをついて行くと、あたし達が来た方向とは反対の方向に向かって歩き出した。
「え、そっちですか?」
「え?ええ」
晴人さんは驚きながら頷いた。
「どうかされたのですか?」
「あ、いえ、あたし達、譲二さんに連れられてあっちの方から来たんです」
すると姫と晴人さんは顔を見合わせて驚いたような顔をして、困ったように笑った。
「お二人とも、譲二どのにしてやられましたね」
「と、言うと?」
晴人さんの言葉に翔太が尋ねる。
「おそらく、お二人の体力や身体能力を見定めたかったのでしょう。譲二どのはとてもまじめで用心深い人柄ですから」
晴人さんは苦笑した。
けれど確かに譲二さんの用心深さとまじめさは分かっていたし、姫が毎日あの障害だらけの道のりを通っているのは到底納得できない。
あたしと翔太は顔を見合わせて苦笑した。
それから結界の外まで、泉から流れる小さな川沿いを歩いた。行きとは全く異なり、道沿いに花が咲いていたり、小鳥が囀ったり、とっても穏やかだった。
それからあたしと翔太は箒に跨がって、晴人さんは籠付き箒に跨がり、その籠の中に姫が、その両脇を衛兵が守りながら城へと飛んだ。