ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
城に着くと、クリスさんが出迎えてくれた。
「お疲れ様でございました、ジュリア姫」
「わたくしは疲れてなどいませんわ」
晴人さんにエスコートされて、籠を降りた姫は少しだけ顔をしかめてそう言った。
「魔物の方は出現したのでしょうか。お怪我などされては…」
「いません。クリスは心配しすぎなのです」
姫はうんざりしていた。晴人さんはいつものことだと思っているのか少しだけ眉を下げて姫を見守っている。
「それにわたくしを守ってくださる方がお二人もいるのですよ。大丈夫に決まっていますでしょう」
「左様にございますな」
クリスさんはまるで気にしていない様子で微笑んで頭を下げる。
そんなクリスさんを一瞥すると、姫は「わたくしは自室に戻ります」と言ってその場を去ろうとした。
「お待ちください、ジュリア姫!」
クリスさんが慌てて引き留める。
「ジュリア様、もうじきアーノルド伯爵家のご令嬢、花蓮(カレン)様がお見えになります。お忘れなきよう」
「ええ、もちろん知っていますわ。本日お会いすると約束していましたもの。少し湯浴みをしてお着替えをしてから花蓮様をお待ちします。花蓮様がいらっしゃったら、わたくしの応接室へご案内を」
「かしこまりました」
クリスさんがお辞儀するのを姫は見ることなく自室へと戻っていかれる。
その後ろを晴人さんがおいかけるのだけど、姫は思いついたように振り返ってあたしと翔太に眉を下げて微笑んだ。
「夕食をご一緒したかったのだけど、ごめんなさい。また明日はご一緒しましょう?」
姫のお誘いに断る理由なんてなく、あたしと翔太は「はい」と頷いた。
「お疲れ様でございました、ジュリア姫」
「わたくしは疲れてなどいませんわ」
晴人さんにエスコートされて、籠を降りた姫は少しだけ顔をしかめてそう言った。
「魔物の方は出現したのでしょうか。お怪我などされては…」
「いません。クリスは心配しすぎなのです」
姫はうんざりしていた。晴人さんはいつものことだと思っているのか少しだけ眉を下げて姫を見守っている。
「それにわたくしを守ってくださる方がお二人もいるのですよ。大丈夫に決まっていますでしょう」
「左様にございますな」
クリスさんはまるで気にしていない様子で微笑んで頭を下げる。
そんなクリスさんを一瞥すると、姫は「わたくしは自室に戻ります」と言ってその場を去ろうとした。
「お待ちください、ジュリア姫!」
クリスさんが慌てて引き留める。
「ジュリア様、もうじきアーノルド伯爵家のご令嬢、花蓮(カレン)様がお見えになります。お忘れなきよう」
「ええ、もちろん知っていますわ。本日お会いすると約束していましたもの。少し湯浴みをしてお着替えをしてから花蓮様をお待ちします。花蓮様がいらっしゃったら、わたくしの応接室へご案内を」
「かしこまりました」
クリスさんがお辞儀するのを姫は見ることなく自室へと戻っていかれる。
その後ろを晴人さんがおいかけるのだけど、姫は思いついたように振り返ってあたしと翔太に眉を下げて微笑んだ。
「夕食をご一緒したかったのだけど、ごめんなさい。また明日はご一緒しましょう?」
姫のお誘いに断る理由なんてなく、あたしと翔太は「はい」と頷いた。