最後の恋愛Ⅱ
「ほら、行くぞ。」

行くぞって、大麦ぃ!

「もう・・・っ、何考えてるんですかっ?」

キッと大麦を睨み上げて言う。

「何って、大和のことだけど。」

大麦はついと私の腰に手を添わした。

そのまま歩き出す。

「あのね、今朝からこの七転八倒のハプニング続きを何っとも思わないの?」

「思ってるよ、悪かったなって。けど、大和が俺の事無視するから悪いんだろ。」

は~~~?

「無視されるようなことをしてるんでしょうが!」

「そうだけど・・・。」

ぷうと小さく頬を膨らませる。

何だ何だ!

この拗ね大麦は!

かっ可愛いつもりか?

母性本能くすぐり作戦か・・・っ?

「遊び人。」

「もう、大和しか見てない。」

「女ったらし。」

「今は大和だけだ。」

「それ、信じれると思う?まだ1週間も経ってないのに、大麦の過去の女ふたりも登場したんだよ?」

「ごめん、ちゃんとケジメつけるから。」

「はん、どうだか。飽きたらポイってするのが当たり前の男が、突然そんなに一途になれますかね?」

ぷいと顔を背ける。

この間、大麦の手は、ずっと私の腰に添えられたままだ。

けど、何故か・・・嫌じゃないのも事実・・・。
< 119 / 226 >

この作品をシェア

pagetop