最後の恋愛Ⅱ
「それじゃ、よく見ててよね。」

・・・

何故か、ムカッとする私。

いやいや、落ち着け。

「はいはい。」

見てますよ。見てりゃいいんでしょうよ。

「どうぞ?」

伏し目がちにふたりを見遣り言う。

如月さんは、にっと微笑んで、箸でつまんだ唐揚げを、大麦の口元に運んでいく。

「はい、隼人さん、あ~ん。」

大麦は、小さくため息をこぼして口を開けた。

ズキン

―ああ、いやになる。

こんな些細な行動にさえ、妬ける自分が。

見ていたくない。

けど、これは見てないといけない、んだろうな・・・

大麦の半開きになった唇に唐揚げを添わせると、大麦はもう少し口をあけた。

まるで、キスをせがまれて開くかのように。

何か、そのなまめかしさが嫌だ。

唐揚げが、口の中に消えて、如月さんが言う。

「美味し?」

大麦は、指先で唇を拭って、答えた。

「ああ。」

って・・・。

何だよ、何だよ・・・

何で、如月さんにまで色っぽい大麦を見せちゃってんの?

私のことが好きなんじゃなかったの・・?
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