最後の恋愛Ⅱ
何か、もやもやする。

身体の芯がズクンとうずくような―そんな感覚。

考えたくないけど、その、もやもやには覚えがある。

「・・・次、どうぞ。」

ハッとして頷いた。

「あ・・・、はい。うん・・・」

少し身体を浮かせて返事を返す。

ああ・・・

ほんと、私ってこういう女だったってことを思い出す。

好きになると―、相手に夢中になる。

他が、見えなくなって、どうすることもできなくなる。

大麦に・・・呆れられたら・・・

私は、今度こそ、立ち直れない。

大麦を見つめて、すぐにサッと視線を逸らした。

如月さんに、追い詰められるほど・・・私は、自分の心を自覚していく。

まだ・・・

まだって、そう思いたいのに。。

胸がドキドキする。

日下部さんが言ってた・・・乙女な自分を感じずにはいられない。

私は、今からこの人にあ~んを・・・

・・・するのだ。

「大和・・・」

小さく細い声で囁きかけられて、びくりと身を竦めた。

あ・・・

ダメだダメだ、私、また自分の殻に閉じこもろうとしてたわ!

よしっ、とにかくしてしまおう!

あ~ん、の行為を!!!!!!

私はあまたあるメニューの中から、果物盛りの中にあったさくらんぼを指で掴んだ。

これなら、食べやすいし・・・!

そして、大麦に向き合った。
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