最後の恋愛Ⅱ
大麦―は、私を見つめてくる。

そして、私も目が離せなくなる。

その眼差しは、いつもの私とふたりきりの時の大麦の目で優しくて情熱的で・・・

ちりちりと焼け付くように胸が熱くなってくる。

違う・・・

さっき、如月さんを見ていた時の目とは全然違う。

私だけの―大麦・・・・

「ちょっと、見つめ合ってないで早くしてよ!」

ああっと・・・・!!!!!

もうっ、私、どうしてしまったのだよ!

もう、だめか?

だめなのか?

大麦にトリコなのか?

うううう・・・

ああ、絶対、大麦も気付いてるよね・・?

気まずさマックスだよ。

だって、もうこの手にあるさくらんぼを大麦の口元に持っていくだけでも、相当の勇気がいるんですけど・・・?

血圧上がりそうだ・・!

逆に、如月さんは、すごいよね。

このフェロモンだだもれ大麦の前で、あんなに冷静な行動ができるとは!

いや・・・!

私もよわい35歳にもなるもはや三十路も真っ只中の大人の女。

ここで、負けを認めるわけにはいかない。

そう、女優だ!

女優になるんだ!
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