最後の恋愛Ⅱ
柳生さんの部署の会議室を借りて、私たちはいったん場所を移した。

柳生さんは、自前のインスタント珈琲を入れてくれて、差し出された湯気の立つカップを受け取り、私は鼻をすすった。

「落ち着いた?」

「はい・・・」

ほんと

どれくらいぶりだろ

こんなに泣いたの

頭がぼんやりする・・・

「で、どうしたのよ。何があったわけ?」

・・・

何がっていうか・・・

「ちょっと、何?顔紅くしちゃって。」

おおおお

そうでしたか・・

もう、私の頬は、どんだけ感情に素直なのだ!

「えっと―」

何て言えばいい?

けど、もうごまかせない。

大麦のこと

お試し期間とか言って、何とか好きじゃない、まだ大丈夫だって思おうとしてたけど

けど、ダメだ

もう、自分の感情に嘘なんかつけない・・・

つけそうもない。。。
< 172 / 226 >

この作品をシェア

pagetop