最後の恋愛Ⅱ
自分の感情を自覚して、泣くって・・・子供みたいだ。

「・・・分かったよ、もうやめる。」

・・・

「え?」

大麦は髪をくしゃくしゃ掻き乱して続けた。

「・・・もともと、ガキみたいに追っかけるのなんか、よく考えたら俺の柄じゃないし、ちょっと・・・余裕なさすぎたよな。」

・・・ちょっと

ちょっと待って―、何を言ってるの・・・?

身体から、血の気が引いていくのが分かる。

やだ―待って・・・いや、その先を聞きたくない。

「悪かった。もう、触らないから・・・。」

え・・・

私が何かを口にする前に、大麦はガタンと椅子を鳴らして立ち上がった。

そして、困ったみたいに眉をよせて言う。

「落ち着いたら、仕事に戻るようにね、じゃあ、俺会議があるから。」

・・・

部屋を出て行く大麦の背中を見つめたまま、私は呆然と呟いた。

「・・・はい。」

―はい・・・

・・・はい・・・・・・?

待って

待ってよ待って!

何、今、何て?

何て言ったの・・・???????

分かんない。

分かんないよ!!!!!!

何で・・・なんで・・・・・?????
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