最後の恋愛Ⅱ
「今日、可愛いな。」

・・・

「え?」

私は、小さく顔を上げた。

大麦の笑顔が胸に落ちる。

「今日も、可愛い。」

・・・

そういうこと・・・言えるんだ。

ああやって、私の目の前で、私のことを何回も傷つけておきながら、そういう甘い台詞、ペラッと言えちゃうんだ。

「・・アリガトウゴザイマス。」

私ばっかり・・・

私ばっかりが、大麦の行動の言葉のひとつひとつに一喜一憂して・・・バカみたいだ。

・・・!

大麦と組んでいた腕が解かれて、指を絡めとられる。

いつもみたいにカップルつなぎで・・・大麦を見上げた。

「こっちの方が歩きやすいから。」

・・・

私はこくりと頷いた。

どうせ、何も考えてないんだ。

こういうこと、素でできちゃう、なんちゃってイタリア男だもんね。

けど―

大麦の大きな手で自分の手を包み込んでもらうのは、キライじゃない。

どちらかというと、好きだ。

だから・・・嬉しくてたまらない自分が体の中にいる。

どうせ―

こんなふうになってるのは、私だけなんだろうけどね。。。
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