最後の恋愛Ⅱ
「あ、ポップコーン売ってるぞ?あれもいる?」

私は可愛いバケツに入ったポップコーンを見つめて、それからゆっくりと頷いた。

「欲しい・・・」

大麦は、そうかと微笑んで答えて、早速手に入れたバケツ入りポップコーンを自分の首にかけた。

「これは重いから、俺が持つよ。ほら、ア~ンして?」

・・・

「あ~ん・・・」

大麦の指が、唇に触れる。

口の中に入ったポップコーンより、その指先の感覚が、・・・気になるなんて、私、どうかしてる。

大麦とふたりで・・・デート。

遊園地デート・・・

嬉しい、はずなのに・・・

本当なら、心から喜んでいられるはずなのに・・・

「そろそろ・・・弥生を迎えに戻るか。あいつ、これ以上放っておいたら、またブチ切れるぞ?」

・・・・・・・・

私は、足を止めて、地面に視線を落とした。

「ん?どうした、森さん。」

・・・

森さん、ってまた、言った。

カチンって、頭の中で何かのスイッチが入る音が聞こえた気がした。

「・・・・・・・戻らない。」

「・・・え?」

「戻りません、如月さんのとこには。」

・・・

大麦は、呆然としている。
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