最後の恋愛Ⅱ
「ちょっと目を離してる間にぃ何やってんのよっ、油断も隙もありゃしないわっ!ほら、離れてよっ!」

私はプイっと顔を背けて、大麦の腕を掴んだ。

「やだ。」

「はぁぁぁ?」

如月さんは、あんぐりとして素っ頓狂な声を上げた。

そりゃそうだ。

私が言うような台詞じゃないもんね。

そもそも、私は男の人にこんなこと言ったことないんだから。

わがままなんて、一番無縁だった。

ずっとずっと

良いコを演じて、我慢してきた。

だから・・・

私の女子力は、ここで爆発させる。

もう、何にも遠慮しない、容赦しない。

私は大麦の腰に腕を巻きつけて、言った。

「これは、私のなのっ。」

恥ずかしいし、屈辱だけど、仕方ない。

本心なんだから・・・

どんなに理由をつけて、この人を嫌おうとしても、諦めようとしても無理。。

無理なものは無理、できない。

できるわけ・・・ない。
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