最後の恋愛Ⅱ
翌日、またまた10時にならないうちに大麦が迎えに来た。

今日は昨日と違ってロングスカート。

フェミニンにしてみたけど、どうだろう。

あいつ、お洒落さんみたいだし、隣に立って不釣合いにはなりたくない。

あれ・・・?

これって・・・いやいや、女心であって恋心ではないよ!


車に乗り込むと大麦は微笑んで頬にキスしてきた。

「おはよう、今日も可愛いな。」

ああ~~

どうして、こういうことを平気でさらっと言えるんだろう。

小娘みたいに顔が紅くなる。

大体、仕事場との雰囲気違いすぎるんだよ。

「あ~で、今日はどちらへ?」

頬をさすって問いかける。

大麦はフロントガラスを見つつ答えた。

「今日は、美術館。大和、エジプト展行きたいってこの前会社で話してたろ?」

おおお!!!

してた、してたとも!

してたよ、日下部と柊の3人でね!

けど!

お前は確か席にいたよな?

何で知ってるんだ、と言いたい気持ちを抑えてここは素直に喜ぶことにする。

だって嬉しいし

めちゃくちゃ行きたかったし

そういうの大好きだし

「けど、私夢中になっちゃいますよ?」

大麦は微笑んで再び、さらっと言う。

「いつか、それを俺に対して言わせたいね。」

「もうっ、そういうのはいいですから!」

大麦、お前はラテンの人間なのか

どこの血が流れてるんだ?!
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