自惚れ男子の取説書【完】
自分で言っててむなしくなる。やっぱり私は小田さんにとって何て事ない存在なんだろうか。
深くため息をつく私をよそに、何事が考えこんでいた美沙が口を開いた。
「へぇ…やっぱ琴美すごいわ。なに、小田さんってツンデレなの?」
「はあ?なに言ってんのよ。どっちかと言えば、外面がいい俺様って感じじゃない。小田さんがデレてる所なんて私見た事ないよ」
「ふーん…まだデレてはないのね」
何でかにやつく美沙は、口元を隠すようカップに口をつけた。
ピロリピロリ
ふいに鳴った電子音に自然とバッグの中を漁る。
「あ、無いや。美沙の携帯?」
「なーに琴美、携帯忘れたの?」
バッグの内ポケット、定位置にスマートフォントが無い。どうやら慌てて家を出てきたせいか、スマートフォンを家に置いてきてしまったようだ。