自惚れ男子の取説書【完】
オートロックに鍵をさし解除しようとした時。
鍵を持つ腕をぐいっと後方へ引かれ、自然と私は身体ごと向きを変えられる。
その勢いでバッグを床に落とし、一瞬の出来事に声も出せないままで。
目の前には、焦ったように呼吸を乱した小田さんが怒ったような泣きそうなよくわからない表情で立っていた。
「え…お、小田さん?どうしたんですか」
「どうしたかって俺のセリフだ!お前どこ行ってたんだよ!!」
ほとんど叫ぶように声を荒げると、私の腕を掴んでいた手にぎゅっと力が入る。
「メールは返ってこねぇし電話も出ねぇ。仕方ないから横田美沙に連絡してみたら、体調悪そうだったから様子見に行ってやってくれって言われて」