自惚れ男子の取説書【完】
「…で、お前は何を拗ねてんだ?」
両手でハンドルを掴み頭を持たれかけると、そのきれいな顔をこちらへ向ける。長いまつげの影が小田さんをひどく色っぽく見せて、思わずどきっとする。
「拗ねる…ですか?お騒がせして申し訳ないとは思ってますけど。感謝こそしてますし拗ねるなんて…」
「違う。何でメール返さなかったんだって聞いてんの。俺のメールに返信しないとかほんとありえねぇんだけど」
はぁっと息を吐くと、小田さんはギロっと私を睨みあげた。
「あれか、病院での事か」
小田さんの言葉に心が波立つ。